知って得するオーダーカーテン講座

オーダーカーテン 豆知識

1. カーテン生地の種類
カーテン地の種類とは、実際にカーテンに使われる生地の種類のことで、一般的には生地の構造によって、おおむね以下の4種類に分類されます。
ドレープ生地 重厚感のある厚手のカーテン生地をドレープといいます。高い密度で生地織られているため手に取った感触が素晴らしく,また装飾性に優れたカーテン生地です。遮光性、遮蔽性、防音性、断熱性などさまざまな機能を備えているのが特徴です。柄のものと無地のものがあります。

プリント生地 フラットに仕上げた無地の生地に、柄をあとからプリントしたものです。織りで柄を出すドレープと違い、自由な表現が可能です。色彩豊かでファッショナブルなカーテン地に向いています。

レース生地 透明感のある薄手のカーテン生地の総称ですが,これを二つに分類すると、編み機を使って編んだ生地を「レース」、織り機を使って織った生地を「ボイル」といいます。一般的にはこれらの薄手のカーテン生地を総称してレースと呼んでいます。多くはドレープやプリントとの二重吊りで使われますが、高級レースは主役としても窓辺を演出します。

ケースメント ドレープとレースの中間的なカーテン生地です。見た目はレースに似ていますが,レースよりも素材的にバラエティに富んでいて、レース的な軽快さの中にもドレープのようなボリューム感を併せ持っています。単品としても使えますし、ドレープとの二重吊りにも使えます。

2. カーテンの素材
カーテン生地に使用される素材(繊維)は、生地の持つ風合いや装飾性の高さに優れていることは言うまでもありませんが,生活のTPOに合わせて生地の遮光性、防音・遮音性、保温・断熱性といった付加価値を高めたり、洗濯などでによる伸び縮みを抑えるためのあらゆる工夫がされています。現在は、化学繊維である「ポリエステル」、「アクリル」、再生繊維の「レーヨン」、天然素材の「綿・麻・絹」という6素材が主流となっています。

綿「コットン」
麻 「リネン」

(自然素材)
「綿・麻」はといった天然繊維は、生地の持つ質感が良く、丈夫で、染色性も良く、きれいな色・柄を楽しむことができという魅力がありますが、太陽光線に弱く変色、劣化しやすいことと、一般的な水洗いの洗濯で縮んでしまうという欠点があります。
ご購入にあたりましては、その特性をじゅうぶんに理解された上でお買い求め下さい。

レーヨン
(再生繊維)
「レーヨン」は、さらっとした手触り感があり、吸湿性、染色性ともに優れています。また、他の繊維となじみやすいことから、混紡・交織として使用されることが多くなっています。欠点は、耐久性が低いことと、水に弱く縮みやすいことです。
ポリエステル
(化学繊維)
カーテン繊維の主流といえるのが、このポリエステル繊維です。丈夫で扱いやすく、また、光沢感があり手触りもよく、ドレープ性(やわらかく波打つ感じ)にも優れています。機能的に最も優れた素材といえますが、帯電しやすいので汚れやすくなることと、若干コスト高になるのが欠点といえます。
アクリル
(化学繊維)
ポリエステル繊維と並んでカーテンの代表的繊維といえるのがアクリル繊維です。非常に軽量で保温性が抜群であることと、帯電性・吸水性も少ないために汚れが付きにくいという長所があります。
問題点は、やや毛羽立ちすることによる生地の風合いの劣化で、それによりドレープ性が悪くなることと、熱に弱く燃えやすいことです。ただ、燃えやすさに関しては、難燃加工を施した生地もあります。
3. カーテンの機能
カーテンの用途には、その装飾性以外にも日常生活をより快適に営むためのさまざまな機能が求められています。その代表的なものが「ウォッシャブル」「遮光」「防炎」です。このような機能を付加したカーテンのことを『機能性カーテン』と呼んでいます。
ただし、どんな生地でもその機能が付加できるというわけではないので、装飾性を重視するか機能性を重視するかという選択になる場合もあります。
ウォッシャブル
カーテン
家庭用洗濯機で洗えるカーテンです。素材は伸縮性の低いポリエステルを使用し、織り方にも型崩れしないような安定性を高める工夫がなされています。

遮光カーテン
外部の光を遮り、部屋の光を外に漏らさないようなカーテンです。遮光性を高めるためには、黒糸を織り込んだり、生地の裏面にラミネート加工するなどしてカーテン地自体に遮光性を持たせる方法と、普通のカーテン地に遮光性の高い裏地(遮光裏地)を縫い付ける方法があります。また、遮光性を持つ薄手のカーテンを共吊するという方法もあります。
寝室に採用するケースが多いようです。
※遮光カーテンには遮光等級があります。
防炎カーテン
カーテン地には難燃性繊維(または難燃性を付加した繊維)を使用したものや、後加工によって防炎性を付加したものを防炎カーテンといいます。防炎性能とは、接炎した際、全く燃えない不燃性能のことではなく、火が着くか又は焦げても、燃え広がりにくい(延焼しない)性質のことを指します。カーテン、幕等の防炎対象物品を、「浸漬」、あるいは「吹き付け」により防炎加工することを、二次加工といいます。

繊維に防炎性能を付与する方法として、製造工程での防炎(素材防炎)と後加工による防炎があります。防炎規制は、当初主だった都市の火災予防条例で行われていましたが、昭和43年の消防法改正によって、全国的なものとなりました。特に、着火確率が高く、延焼拡大の重要な要素となるカーテンやじゅうたん等(防炎物品)は、一定の限られた場所(防炎防火対象物)で使用する場合、一定の防炎性能を持つ事が、消防法により義務付けられています。高層マンションの建設ラッシュが続く昨今、押さえておきたいポイントの一つです。


防炎カーテンには、そのカーテンの耐洗濯性能ごとに以下の4タイプの『防炎ラベル』が付与されます。
防炎(イ)ラベル
このラベルは、水洗い及びドライクリーニングをしても、防炎性能のなくならないカーテンに縫い付けるものです。(布製)
防炎(ロ)ラベル
このラベルは、ドライクリーニングにはだめでも、水洗いには耐え、防炎性能のなくならないカーテンに縫い付けるものです。(布製)
防炎(ハ)ラベル
このラベルは、水洗いにはだめでも、ドライクリーニングには耐え、防炎性能のなくならないカーテンに縫い付けるものです。(布製)
防炎(ニ)ラベル
このラベルは、水洗い及びドライクリーニングのどちらにも耐えず、防炎性能のなくなるカーテンに貼付させるものです。(紙製)
消臭カーテン
繊維に織り込まれた消臭剤の作用によってタバコやペットの臭いといった悪臭を分解・中和してくれるカーテンです。最近では、シックハウス症候群の原因物質であるホルムアルデヒドを分解してくれるカーテンも発売されています。
  
4. カーテンの標準スタイル
2倍ヒダ(3ツ山)
2倍ヒダ(2ツ山)
オーダーカーテン(レース)の最も一般的なスタイルです。ヒダ山とヒダ山の間隔が狭い(約12cm程度)ためドレープ性が高く、大変豪華に仕上がります。
具体的には、縫製カーテンの幅サイズを1メートルに仕上げる場合に2メートルの生地を使用するという意味です。カーテンの仕上がり幅寸法に対して2倍の生地を使用するので、ドレープ性が高くなるというわけです。2倍ヒダのほか、生地を2.5倍使用する2.5倍ヒダ、3倍使用する3倍ヒダというものもあります。
また、ヒダ山の形状についてですが、2倍ヒダのヒダ山は三ッ山が一般的です。ただし、非常に生地の厚いカーテンのヒダをつまむ場合や、ヒダ山をスッキリ見せたい場合などは、2ツ山とする場合もございます。2ツ山を希望される場合は、予め販売担当者にご相談されたほうがいいでしょう。また、冷暖房効率の向上にはヒダのたっぷりしたカーテンがおすすめとなります。

1.5倍ヒダ(2ツ山)
既製カーテンでも多く使われるスタイルです。
1.5倍ヒダというのは、カーテ(レース)の仕上がり幅寸法に対して1.5倍の生地を使用するという意味です。ヒダ山とヒダ山の感覚は広く(15cm前後)となり、ヒダ山は二ッ山となります(1.5倍ヒダ以下は1ツ山となります)。
カーテンの価格というのは生地の価格に大きく左右されますので、最近はオーダーカーテンでもこの1.5倍ヒダを採用し、生地の使用量を少なくすることで価格を抑えようとする動きも見られるようになりました。また、当初は価格を抑えることを目的に導入された1.5倍ヒダオーダーカーテンも、シンプル、カジュアル、大柄のものなど、生地のデザインや特性によっては、逆にその生地の持ち味が引き出されるという効果も認められるようになっています。1.5倍ヒダでよりシンプル感を出したいときや柄域を楽しみたいときは、吊り元のヒダ山を1ツ山にするといいでしょう。

1.3〜1.5倍ヒダ
(1ツ山)
フラット系カーテンでありながら、ヒダ山を1ツとることにより、吊り元のアクセントが窓辺をシンプルに引き立てます。特に柄の大きな生地に対してこのような縫製を施しますと、柄域がハッキリ見え、インテリアとしてのデザイン性が高まります。また、ヒダを1ツとっているために、フラットカーテンの欠点として挙げられる操作性(ヒダがないため、たたみにくい)の不具合を緩和する働きを持っています。最近では、大柄のレース生地の縫製にも1ツ山縫製が積極的に採り入れられています。
フラットタイプ
(ヒダなし)
フラットタイプというのは、言葉のまま解釈すると、カーテンレールの取付寸法(レールの両端の取付部分の長さ)と同じ寸法の生地を使用するカーテン(レース)を指し、「ヒダ山」はありません(この場合のヒダ倍率はフラット・1.0倍となります)。ただし、1.0倍は、文字通り「フラット」な平らな布の状態ですので、生地によっては多少こわばった感じに見えたり、両開き窓では、開きの中央に隙間が生まれるなどデメリットもあります。また、洗濯の際に生地が多少縮むケースがありますので、実際にはカーテンレール幅より多少大きめに作る方がよいでしょう。
最近流行のフラットスタイルの楽しみ方として、レールサイズの1.1〜1.3倍の幅で製作することによって、生地の持つ自然なウェーブを楽しむ演出手法があります。これが、「フラットカーテン」の縫製による仕立てを考慮した際の正しいスタイル定義と考えた方が良いでしょう。固いドレープ生地にはゆとり抑え目の1.1倍〜1.2倍フラット、薄手のレース生地や柔らかい生地感のあるドレープ生地などにはゆるゆかなウェーブ効果が楽しめる1.3倍程度のフラットなどが人気のようです。
デメリットとしては、フラットカーテンにはヒダがありませんので、カーテンを閉じる場合に、生地の畳み部分が、通常のヒダありカーテンと比べて、「前後に大きく畳まれてしまう」ため、生地が薄く、日中の開閉頻度の少ないレース生地であれば、良いですが、「フロントレーススタイル」の様に、透明性の高い柄物のレース生地の後幕にカーテン生地(特に生地の質感が固いドレープ生地)を配置するスタイルを希望される場合や、幅の広い窓や、重量のあるカーテン生地をお選びの場合はカーテンレールの滑走性や生活の中での使い勝手に影響がある場合もありますので注意が必要です。

また、基本的に、縫製スタイルの特質上、カーテンレールの正面を覆い隠す「Bフック(正面付)」で設置すると、カーテンレールとの間に摩擦が生じて、極端に滑走性が劣るため、取付スタイルは、「Aフック(天付)」を原則としていることもご注意ください。
ギャザープリーツ
(約2.0〜2.5倍ヒダ)
カーテン(レース)のトップにギャザーテープを縫い付けて、紐で絞って作るヘッド部分のスタイルをよびます。柔らかなレースなどにも多く用いられ、細めの不規則なギャザーが、女性らしさ、可愛らしさを表現します。
ハトメタイプ
別名「アイレット スタイル」ともよび、生地にハトメ(鳩目)を打ち込み、レールに通すスタイルを指し、生地本来の自然なドレープ感を楽しむことができます。一般的には、カテンレール(ポール)の長さの1.5倍程度の幅で仕上げると、自然なウェーブが出て、綺麗に納まることが多いようです。また、カーテンレール(ポール)の太さや好みにより、ハトメの径の大中小(L・M・S)を選ぶことができます。「モダン」スタイルのインテリアや、カジュアルイメージのインテリア表現に採用されるケースが多いようです。
タブヘッド
別名「タブトップ スタイル」ともよび、のれん状の吊り部分を持つカーテンのヘディング」を指します。共布や別布をテープ状にしたのちにリング状にして縫いとめ、それを装飾レールやロッド(吊り棒)に通して吊り下げます。また、通常カーテンレール(ポール)の長さの1.5倍程度の仕立て幅で仕上げると、畳んだ時の収まりが良く一般的といわれています。布の使用量が比較的少ないのでシンプル・ナチュラル感を活かしながら、「モダン」、「カジュアル」スタイルのインテリア表現を楽しめます
5. 遮光等級(1〜3級)
 遮光マークは遮光率99.4%以上の遮光性能を有することを表すマークです。
等級 遮光1級 遮光2級 遮光3級
遮光率 99.99%以上 99.99%〜99.80% 99.80%〜99.40%
照度(単位:ルクス) 0〜10 10〜200 200〜600
照度に関する状態表現 人の表情が識別できない 人の表情がわかるレベル 事務作業が暗いレベル
*各照度と状態表現の関連性については,照明学会編「ライティングハンドブック」に基づいています。
*この遮光率は、生地の遮光率を表すものであり、カーテンの縫製方法、レールの取り付け方法によって室内の照度は変わりますのでご注意下さい。特に1級の生地を使用する場合には,上部・下部・サイド・合わせ目・ピンホール等による光の漏れが気になりますのでご注意下さい。
6. 透 過 率
遮光性の反対表現としてレースカーテンを選ぶ一つの目安に透過率というものがございます。薄地カーテンがひかれた窓を外から見たとき,室内のプライバシーがどの程度見守られているかについて気になる方も多いことと思います。透過率とは外から部屋の中がどのくらい透けて見えるのかという割合を示すものです。この透過率にも等級がありますが、各メーカーの統一基準はありません。下の写真のように希望する透過性能の様子を販売員におっしゃっていただければ、豊富なカタログサンプルの中からお客様の希望の色・柄にマッチしたアドバイスをいたします。なお、最近ではレースの裏側を鏡のように光らせることで視線を遮る「ミラーレース」というものも登場しました。

昼を想定した場合のレースの透過性の違い
屋外から見た部屋の様子のシュミレーション
透過性に優れたレースカーテン
うっすらと部屋の様子と人の気配が分る状態
かなりはっきり部屋の様子がわかる状態
7. ミラーレース
【ミラーレースの特徴】
*「ミラーレース」とは、生地の裏面(窓側)に光沢のある「ブライト糸」を編みこんで、その特殊な編み組織の鏡面仕上により、日中、外部から室内を見えなくし易くなる、プライバシーを重視する生活空間に適した機能性レースです。
これにより、外部から室内を見ようとした時に、窓面に外の景色や、見ている人自身が映りこんで見えるため、
「マジックミラー」のような効果が期待できます。あります。 天気の良い日中に関して言えば、外から室内の様子はほとんど見えなくなります。発売当初の「ミラーカーテン」は、室内からも屋外が見えにくくなるものがほとんどでしたが、技術の進歩と改良により、最近ではやや厚手のレースカーテン程度に外が見える「ハーフミラー」カーテンなども開発され、人気を呼んでいます。また、窓辺の明るさも減少しません。

*「ミラーレース」は、熱反射効果にも優れているので、お部屋の色あせを防止 強い日差しを抑え、紫外線による畳・フローリング・カーペット・家具などへの影響を防止する効果があります。一般的には,紫外線・可視光線・赤外線などの太陽光線は通常レースよりも10〜20%多く遮ります。

省エネ効果・・・夏の冷房効率を向上させます。特に西日のきついお部屋には、遮熱効果も発揮され、お勧めです。